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島根みらくる!?

 最初にお断りしますが、かなりの長文です。

 今回は、島根県玉造温泉に行ってきました。本当は2月に湯の峰温泉(和歌山県)に行く予定だったんですが、インフルエンザにかかってしまって、医者から「しばらくお風呂やめておいてくださいね〜。」と言われてたことから断念しました。
 で、その時には、もう玉造温泉の予約は済ませていたので、早く治さないと・・・って思ってたら、インフルエンザの次はどうも風邪ひいてしまい、出発の3日前まで、ゴホゴホしておりました。帰ってきた後には、またもや・・・どうも身体が弱いですねぇ・・・(^_^;

 さて、余計な話は置いておいて、島根県の玉造温泉なのですが、今回は、個人旅行のパックツアーを利用しました。実は、個人旅行のパックツアーを申し込むのは初めてだったりします。友人が、『島根県には一度行ってみたい。ついでに蟹も食べたい』と口走ったのが始まりで、旅行が決定しました。私は個人的に、かなり島根県が好きで、毎年1月か2月に必ず訪れてます。今年は、前半のバタバタ(北海道・東莞・湯村)もあって、3月の最初になったのですが、これで4年目かなぁ。
 で、驚いたのはパックツアーって安いですね。普段なら絶対に乗らない『新幹線〜やくも』往復で温泉宿で一泊までついて24800円(税込)っていうのには驚いてしまいました。後でJR西日本のホームページを見てみると、鳥取県西部地震の関係で特に安価にしてくれていた様です。ただ、パンフレットの中でも特に安いコースだったので、「大丈夫かなぁ?」と半信半疑で申し込んだんですが、旅行会社のお姉さんは、『結構いい方のお宿ですよ』とにこやかに答えてくださいました(駄目なところは何て言うんでしょ?)。

 それでも、他のお宿に比べて5000円は安く、さらに3月3日出発の方は平日料金でOKってことだから、余計にお得・・・。う〜む、まぁ、はずれたとしても、普通に新幹線〜やくも乗り継ぎで往復した場合20620円だから、はずれてもそんなに悔しく無いかなぁと思った次第です。

 当日、新幹線ひかり号に乗車して、岡山で乗り換えて、玉造温泉に向かいました。乗車券は玉造温泉までだったので、乗り越しで出雲市まで行き、出雲大社の参拝へ向かいました。往路はバスで出雲大社まで。拝殿近くの駐車場までバスは向かってくれるのですが、参道を歩きたいということもあり、坂の上の出雲大社前(だったと思う)で下車。バスの案内放送で、「出雲大社へは、この先の〜」というのがあり、私達2名以外誰も下車しませんでした(ボタンは他の乗客が押したんですけどね^^;)。

 何度目になるかわからないくらいに来た気がする出雲大社ですが、今回はゆっくりと見学することができました。前回来たのは、昨年の5月の本殿の柱の遺跡の一般公開の日。今日は、特別な日ではなかったのですので、人影はまばら。それでも、大社らしく拝殿まで行くと土曜日ということもあり、そこそこの参拝客がいらっしゃいました。参道の高い木を眺めながら歩いていると、やっぱり出雲大社は、好きだなぁと再認識した次第です。
 拝殿を見学の後、本殿へ向かうと、昨年大行列の中見学した、本殿の柱の遺跡が半分くらいの面積になったものの、公開されていたました。今ならゆっくりと見ることができます。といっても、パンフレットなどは貰えないですが・・・。
 その後、宝物殿へ入館しました。拝殿から見て左側にある建物です。入館料はたしか200円か300円でした。出雲大社の宝物が色々と飾ってあるのですが、刀やらこの間出土した遺跡の一部、柱の復刻などを展示してありました。特に、柱に関しては、ただただ驚くばかりの大きさで・・・。

 宝物殿の後、神楽殿へ向かい、何故神楽殿のしめ縄の方が、拝殿のしめ縄よりでかいのか、不思議に思いつつ、八雲の滝へ向かいました。後で気づいたのですが、八雲の滝へ向かう道の横に、「関係者以外立ち入りを禁ず」の立て札があったので、もしかすると、修行をされる方のみ立ち入りが許されているのかもしれません。う〜、しまった。
 再度、出雲大社の境内に戻り、今度は本殿の裏側へ向かうと、ふるめかしい建物があり、どうもそこも見学が可能な様(名前を失念してしまいました)。入館料50円を払い、中に入ると、一回は、大国様の置物だらけ。いろんな大国様があり、表情が一体一体違うのは、仏像と同じだなぁと思いつつ、眺めていると、友人が、妙に笑っている。何故笑っているのか聞いてみると、大国様を照らす照明が、ちょうど下からあたる格好になってる箇所があり、その光の具合で、表情がなんともおっかなびっくりで、おもしろいという。確かにその様に言われてみると、妙に面白く感じる。
 2階には、本殿の図面や書物などが並び、昔使っていた鍵などが置いてあった。建物そのものが古めかしいのが、なんとも言えず、居心地が良く、印象深かったのは、もしかすると窓ガラスも立てた当時のものもしくは、それより新しいにしても、かなり以前のものを使っているのでは無いかと思わす、歪み具合であったこと。まっ平らの板硝子では無く、どことなく厚さにムラのある感じの窓ガラスといった感じを受けました。

 そのまま時計回りで、本殿の周りを歩いていると、素鵞社がありました。出雲大社祭神の大国主命の親神である素盞鳴尊を祭る社とのことなんですが、なんで、親がこれだけ小さいの?といった疑問が浮上。そこへきて、八岐大蛇を退治したとあると、じゃぁ、大国主命は何故国造りをした後、親にゆずらずに、叔父にあたる天照大神に国を譲ったのかといった疑問がどんどんと湧き出る始末。同行してくれた友人ともども、頭を悩ましつつ、その不勉強さにあきれながら出雲大社の参道を歩いたのでした。日本書紀でも読まなければと思ったものの、新訳の日本書紀でも、その名前につまづいて読めなかったので・・・誰かに聞こうという、なんとも情けない結末です。
 ところで、出雲大社のホームページには、このあたりのことが結構わかりやすく掲載されていますので、興味のある方はご覧ください。

 出雲大社を出て、一畑電鉄出雲大社駅へ向かいました。出雲大社の門前には、新名所として、出雲大社のミニチュア博物館がオープンしたのですが、営業時間が4時までということで、中に入れずじまいでした。今度来た時は、ここに立ち寄ることにしようと決意して坂を下りました。午後4時というのが、大社の門前町のターニングポイントの様で、あたりの土産屋さんや食堂などは、閉店しており、かなりひっそりとした感じでした。道路には、松の木が街路樹としてあり、これが不思議な感じを醸しだしていると、同行した友人は話しておりました。

 一畑電鉄の出雲大社駅は、坂を下りたあたりにあるのですが、街角博物館という看板がでておりました。中に入り、とりあえず次の電車の時間を確認すると、40分ほど待ち時間があるということがわかったので、こじんまりと飾ってある展示物にほとんど目を向けずに、駅舎を出ました。目的地は、旧JR大社線大社駅。一畑電鉄の駅を出て、まっすぐとちょっといったところにあったと記憶していたので、とりあえずそれを見てから戻ってこようということにしました。

 ところが、記憶違いも甚だしくて、10分歩いても、15分歩いてもそれらしきものが出てきません。あれれ?こんなに遠かったっけ?と思いつつ早歩きになりながら、約20分程歩いたところに旧大社駅がありました。重厚な造りの駅舎は見事なまでに綺麗に保存されていました。残念ながらこちらも、閉館してましたので、中に入れずじまい。ここでは、昔の鉄道展(だったと思う)というのをやっているのを窓越しに確認できたのが、私にとっては余計に心残りになった次第です。私は、鉄道やその土地の今昔って結構好きなんですよ。

 片道20分かかっているので、普通に帰ったら、電車の時間に間に合わないのは必至ですから、往路と違って、かなり早歩きで駅に向かいました。大社の大鳥居をくぐろうと時には、かなりやばい時間になっていましたので、走って駅舎に向かったのですが、その時、ベルの音が聞こえるではありませんか。ベルの音が鳴りやむと、モーター音が聞こえました。
 駅舎についた時には、見事に電車が行った後というわけでした。

 この後また、30分近く待ったら電車が来るのは、判っていたのですが、今度はJRの時間に間に合わなくなるので、往路と同じく復路もバスで帰ることにしました。電車の時刻から約5分後に駅前のバス停にバスがやってきました。一畑電鉄で出雲市駅に向かうよりも、バスで向かった方が乗り換えも無い上に、早く到着するのですが、せっかく出雲までやってきたので、是非乗ってみたいという気がありました。

 出雲市駅に到着すると、まだ一つ前の特急が発車していませんでした。それで少しでも早くつければと思って、みどりの窓口で玉造温泉までの切符を請求すると、その特急は玉造温泉には止まらないとのこと。待ち時間は30分程なので、とりあえず宿の方に電話を入れて、到着時間が7時頃になる旨を伝え、駅下のショッピング街(というよりも、土産物屋さんが中心なんですけど)でぶらぶらとお土産を見てました。
 島根県は私は何度となく足を運んでいるのですが、名産品というのを良く知りません。私が購入する定番は、石見地方の場合だと、弥栄村のトマトジュース、出雲地方だと、三幸園の梅昆布茶(これについては後述)。ただ、やっぱり、パッとしたお土産が見当たらないなぁと思いながら、見て回っておりました(店員さんにとってはヤな客ですね)。

 出雲市から伯耆大山までは、電化されているのですが、この時やってきた列車はディーゼルカーでした。鳥取方面乗り入れの関係なんでしょうね。通称かぼちゃ電車もやってきますし、軽快ディーゼルカーもやってきますが、今回やってきたのは、キハ40の重厚なディーゼルカー。山陰地方でこれに乗れるのは、なんとなくうれしい感じがします。

 玉造温泉についたころには、あたりはもう真っ暗。駅前ではタクシーが待っていたのですが、経済的にバスで向かおうと思った次第です。しかし、バス停そのものが見当たらないので、再度タクシー乗り場まで戻ってきて、タクシーで玉造温泉まで向かいました。料金は、900円程度でした。

 玉造温泉・・・というか、私は、温泉街で一泊するのは、初めてでした(意外ですか?^^;)ので、あ〜、テレビで見る様な風景だなぁと思いながら、車窓を眺めておりました。旅館は松の湯さん。玉造温泉ゆ〜ゆ館の向かいにあります。

 フロントにクーポンを渡すと、今回の旅行で付いてくるお土産を頂戴しました。続いて、待ち時間の間にウエルカムドリンクをいただき・・・旅行社のパンフレット通りのおもてなしを受けました・・・。更に、翌朝のモーニングコーヒーのサービス券を頂戴しました。
 到着したのが、19時少し前になったのですが、部屋に通していただいて(最上階の6階でした)、とりあえず食事になるかと思っていたら、時間指定ができるとのこと。とりあえず、お風呂に入ってからにしようということにしたので、20時からのお食事にしていただきました。遅い時間になってしまい申し訳ないなぁと思いつつ、快く引き受けていただいた旅館の方には感謝です。建物そのものは、少し古い感じがするのは否めないのですが、綺麗に清掃が行き届いており、部屋の設備も不満は全くありません。二人で、こんなに広い部屋を使ってもいいの?といった感じで、あまり豪勢な旅行をしたことの無い、二人は、妙に居心地が悪かったのでした(^_^; まぁ、慣れればこのうえなく、いいんですけど・・・。

 駐車場をみると満車で、廊下を歩いていても、結構人とすれ違います。お風呂は畳廊下を歩いていったところにあります。畳廊下に上がる時にみたスリッパの数をみると、結構な人がいるんだなぁと思ったのですが、中に入ると、男湯はガラガラ・・・というよりも、私たち2名しかいませんでした。広いお風呂と、露天風呂があります。露天風呂は木で作った風流なものなんですが、こちらは、かなりこじんまりとした庭園風呂です。3名くらいがちょうどいいぐらいのお風呂で、庭の滝などを見ながらつかれます。お風呂はかなり気に入りました。唯一気になったのは、サウナなんですけど、こちらの営業時間が20時までなので、結局利用することができませんでした。お風呂は24時まで入浴可能なんですけど・・・。何か理由があるのかな?

 部屋に戻ると、食事の準備がされていました。今回の旅行の食事は、『納得かにプラン』ってことでしたので、『ゆでかに』と『かに鍋』がついているのは判っていました。ただ、後で知ったことなんですけど、ズワイカニって鳥取県までが捕れる範囲だそうで、島根県になると、あまり捕れないそうです。とわいえ、島根県東部ですから、鳥取県に近いといえば近いんで・・・。とりあえず、ズワイガニであればよかったわけで、これで良しということにしましょう。お食事は、温泉旅館ですから、なかなかおいしい一品料理がどんどんと出てきます。友人と二人で、カニプランで無い方が良かったかもと思ったぐらいおいしくいただきました。量が量なだけに、食べきるのに必至になりました。
 それでも、風呂上がりに、冷たいものが食べたくなり、一階の自動販売機コーナーで、アイスクリームを購入しましたが・・・。鳥取の大山アイスクリームで、『いちじく』と『20世紀梨』ってのを購入しました。本当はバニラに惹かれたのですが、いちじくのアイスクリームって見たことがなかったのと、鳥取といえば20世紀ってわけで(ここは島根ですが・・・)購入しました。味は、両方ともなかなかいけました。いちじくはダイレクトにいちじくの味がしますし、20世紀梨も果肉がふんだんに入ってました。

 翌朝、朝風呂に出向くと、これまたすごい数の草履が畳み廊下の入り口にありますが、男風呂の方は、10人そこそこ。やはり女の人が多いんだなぁと妙に驚いておりました。ところで、お部屋にもお風呂が付いてたんですけど、どういったときに利用するんだろう?と妙に不思議に思いました。
 朝食は、1階のレストランでというわけなのですが、昨晩の食事が胃にたまってる様な感じであまり食べたく無いと思いながら朝食会場へ向かったのですが、食べ始めると結構食べれるものです。昨夜、夕食を出してくれた仲居さんが私たちがいるのをみかけて、挨拶に来られたのには驚きました(覚えてくれてはったんだなぁって感じです)。まぁ、周りを見ても、会社の慰安旅行の様な人たちか、卒業旅行、カップルで旅行というわけで、男二人連れってのが珍しかっただけかもしれません(^_^;

 その後が妙に忙しくなって、モーニングコーヒーチケットをいただいていたので、とりあえずコーヒーを飲んで、お土産を購入。お部屋に入った時に入れていただいた、七味唐がらし茶と、松の湯オリジナルのお菓子『月照』がなかなかいけたので、とりあえずそれは購入。宿の戦略にすっかりはまっているなぁと思いつつも、おいしかったので、購入したわけですから、悔いはありません。

 午前10時前に宿を出発。お見送りをしてくれるところなんかは、本当に温泉旅館だなぁと思いましたが、バス停が前にあるので、バスが来るまで待っているのは、なんか妙に恐縮してしまいます。ちなみに、これはホテルの部屋から見ていた光景なんですが・・・。私たちは、駅までタクシーで向かったんですけど、お見送りとかいう心配りは結構好みです。

 電車の時間まで、40分程あるので、玉造温泉駅の中でぼ〜っとしていたのですが、駅のポスターとかを見ると、大阪観光キャンペーンなどをやっていたりして、結構見ていてあきません。特にUSJ効果を狙ってか、かなりPRしていました。クーポン券付き観光マップなども置いてあり、それを見ていると、全然知らない名前のレストランとかが紹介されていたりして、驚いてました。
 次の目的地は、来待ストーンミュージアム。石の博物館です。彫刻の体験が出来るとのことだったので、とりあえずそれを目的に向かいました。ただ、ホームページでたまたま見つけただけで、名前もすっかり忘れており、最寄り駅が、玉造温泉の隣の来待駅であること以外何もしりません。ちょっと不安になりつつ向かいました。ディーゼルカーに乗り込み、春の心地よい日差しを受けながら、一駅、妙な旅情を感じます。重たいディーゼルカーって旅行している時は、妙な演出家になってくれます。

 小さな無人駅(といっても、対抗設備が整っていますが)である来待におりたち、とりあえず駅舎に入ります。何か案内が無いものかと駅舎内を見回しますが、それらしきものは見当たりません。ただ、一冊の来待駅来訪者が落書きできるノートを発見。それに落書きをしました。とりあえず駅舎を出て見て、目印が無いものか見渡すことにすると、横の農協ストアに付近の地図が掲げてあり、来待ストーンミュージアムまでの行き方が書いてありました。徒歩15分ってことなので、とりあえず安心。駅舎に戻り、友人にその旨を伝えた時に気づいたのですが、手書きの地図が、ノートを置いてある近くに張ってあったのです。ノートに目が行っていたので、全然見えてなかったんですねぇ。

 駅を出て、来待ストーンミュージアムに向けて歩きだすと、気のせいか雨が降って来た様な気がします。雪の様な感じもします。あまりに小降りだったため、あまりよく分かりませんが、とりあえず気にせず歩いていると、ところどころに『マスコットキャラクターがあしらわれた来待ストーンミュージアムの看板』がありました。行き方は、とっても簡単で、橋の手前で左に曲がって、後はまっすぐでしたが、周囲を見渡しても、何もありません。本当に広い田んぼが広がっています。
 それらしい建物はなかなか見つからないのですが、来待ストーンミュージアムと書いた看板がところどころにあり、迷うことはありません。
 しばらく歩いていると、ピラミッドの形をした、前衛的な建物が見えてきました。あれかな?と思うものの、何か大きさは小さい感じがします。それに、来待ストーンミュージアムの看板はそちらを指していなかった為、あれは何だろう?という謎を残したまま、そのまま歩いていきました(ちなみに後で聞いたところによると、下水処理場とのことでした)。そこから50mほどで灯籠などがたくさんおいてあるところがありました。それは石材店の看板がかかげてありました。隣に来待ストーンミュージアムの駐車場がありました。あれ?といった感じで、来待ストーンミュージアムの事務所兼工房を見てもどうもこじんまりとした様子で、思っていた博物館のイメージとはほど遠い感じがします。
 看板に沿って「来待ストーンミュージアム本館」を目指すと、妙に整備された連絡通路から一般道に出てしまい、それこそ博物館の雰囲気とはほど遠い感じがします。2〜3分歩くと、突然、山を切り裂いた斜面に、「来待ストーンミュージアム」と大きく掘った文字がありました。その下にはトンネルがあり、どうやらストーンミュージアムに行くには、このトンネルを通っていかねばならない感じです。ちなみに、博物館専用トンネルみたいなので、スケールはかなり大きい感じがします。

 数百メートルのトンネルを抜けると、待望の来待ストーンミュージアムがありました。雰囲気は普通の博物館ですが、かなり綺麗な印象をうけました。中に入ると、受け付けの奥に小綺麗なレストランがあり、お昼はここにしようと思いつつ、見学しました。待望の彫刻体験に関しては、何の表示もないことから、期待はずれだなぁと思っていたのですが、パンフレットにその旨の記述があったので、一通り展示物の見学を終えた後、受け付けで聞いてみました。
 体験工房は、「陶器」と「彫刻」の2種類があるらしく、パンフレットには陶器は予約制となっています。受け付けのお姉さんは丁寧に「陶器」と「彫刻」がありますが、どちらになさいますか?と聞いてくださいました。さらに、博物館とセットの場合は、割引が適用されるとのことなので、博物館のみの入館券をセット券に取り替えてくれました。
 陶器も空きがあれば、その場で体験できるみたいだったのですが、陶器に関しては二人とも信楽で体験したこともあって、ここは彫刻をお願いしました。彫刻の体験工房は、先程の駐車場のところの事務所になっているとのこと。時間は、「だいたい皆様は1時間ぐらいみたいですけど」と説明をいただきました。というのも、半日近くかかる様であれば、電車の時間もあるので、乗り遅れてしまったら話にならていとぽうこともあり、念のため聞いてみたのでした。ちなみに、乗車する予定の電車は4時前の電車なので、時間にして、4時間近くありました。

 事務所では、受付のお姉さんとは雰囲気のまた違う、気さくなお姉さんが説明してくれました。縦横20cm、奥行き5cmほどの石を手渡されます。そこに鉛筆で下書きをして、後はノミなどで削るだけといった簡単なものです。とはいえ、私は絵がもともと下手ということもあり、下絵の時点でプレッシャーです。結局、友人に下絵を書いてもらい、それを掘るというたとにしました。性格がでるなぁと思ったのは、削り始めてからです。指導してくださるお姉さんは、参考例を示しながら、「これを使うとこんな感じに仕上がります。」と説明してくれます。実際に最初の一刀を見せてくれるのですが、はたしてあんなにうまいこといくものなのか、感心して見ました。しかし、お姉さんはあっさりと「それじゃぁ、このとおりやってみてくださいね。」と言ってのみと金槌を渡してくださいます。

 説明によると、削りたい方向にノミを傾けると、割れる様な感じで削れるとのことです。恐る恐るやってみると、削れます。簡単に掘ることができます。しかし、思っていた以上に大変な作業で、簡単な絵にしてもらったにもかかわらず、かなり疲れます。でも、彫刻する作業はやりはじめると、なかなか面白くて、没頭します。しかし、このレリーフというか置物、完成したものの、どこで何に使えばいいのだろうという疑問が沸いてきました。友人も同じ様なことを考えていた様で、さらに、指導のお姉さんが、
「私、こういう仕事していて思うことがあるんですけど、みなさんお持ち帰りになられたあとどうなさってるんでしょう?」
 という発言が・・・。続いて
「たまに、いらっしゃるんですよ〜。持って帰ってもどうしようもないので、ここで処分してくれと言われる方が・・・。でも、うちでも、どうしようも無いので、『記念ですから』とか言って無理矢理持って帰ってもらうんですけどね」
 ・・・やっぱり、みんな困るもんなんですね。旅行がてらに体験するから思わず作ってしまうものの、茶碗とかと違って、綺麗にできてもどうしようも無いものということになります。3次元タイプであれば、本当に置物として使えそうですが、2次元だと・・・。そこで、我々が提案したのは、2つそろえて、両側ではさんで、本立てというのが出ました。でも、2つ作らねばならないんですけどね。

 そのお姉さんと、色々とお話していたのですが、この来待ストーンミュージアムはかなり『マイナー』な博物館らしく、それこそ遠路はるばる大阪・滋賀から来たというのに驚いていました。さらに、この博物館を目的として来られる方がほとんどおられない様で、「この後はどちらへ行かれますか?」といった質問に対し、「いえ、このまま帰ります」と答えると、絶句されてました。車でドライブがてらに立ち寄ったというパターンが多い様で、「電車で、ここを目的として」来られる方はほとんどいらっしゃらないそうです。う〜む。そんなにマイナーなところだったけね。
 さらに、体験者名簿というのを書いたのですが、良く見ると、私たちの前の人はどうやら、2週間前だった様で、本当に珍しいお客さんだった様です。2週間ぶりの客な上に、かなり入れ込んで来られたとなれば、それはそれは、印象に残ることでしょう(^_^;

 そうそう、性格ができるな〜と思ったのは、そのノミのふんぎりのよさなんですよね。私の場合、割れたらどうしようとかいう風に思いながら、掘るので、かなり細かい作業になってしまいます。故に出来上がりを見ると、彫りがかなり浅い感じです。ところが友人は、壊れた時は、壊れた時という感じでガンガンと掘ってます。結果、かなり深い彫りになります。出来上がって見比べてみると、やっぱり失敗してもしっかりと掘る方がよさそうな感じをうけました。今度、挑戦する時は、もっと豪快に掘ろうと思った次第です。綺麗に作ってもどうしようも無いものならば、ある程度失敗しても問題無いもんなんですよね、本当は・・・。

 結局、1時間では全然終わらず、2時間30分程掘ってました。途中、伝統彫刻家の方がいらっしゃって少し(本当にほんの少しですけど)、お話させてもらったのですが、2次元よりも3次元の方が面白いよ〜ってなことを話してくださいました。大変そうですけど、作ってみたいなぁと思ったのも事実です。

 一段落して、外を見てみると、とんでも無い大雪です。朝くる時は、日溜まりが気持ちよかったのですが、今はそんなのどこへいった?といった具合に大雪になっています。ちょっと外へでてみると、ぼた雪では無いのですが、結構大きめの雪が降っています。
 中に入ると、先程のお姉さんが駆け寄ってきて、「こんなのが降ってきました」と、パチンコ玉大の雪の固まりを見せてくれました。友人と私は唖然・・・。こんなのあたったらかなり痛いぞと思った次第です。

 お姉さんが、「これからどうします?次の電車まで1時間程ありますが・・・。」と声をかけてくださいました。博物館併設のレストランで遅い昼食でもとろうと思っている旨を伝えると、「え?今日、営業してました?」と問いかけてきます。「え?閉まってることあるんですか?」と聞き返すと、「はい〜。人が少ないですから」とまぁ、そんな説明をしてくださいます。先に立ち寄った時は開いてたという旨を伝えると、「だったら大丈夫ですね。」という声に続いて、「あれ?食事ができる2時までだったかも知れない。ちょっと電話で聞いてみますね。」というわけで、電話をかけてくださいました。結果、食事は2時までだった様で、コーヒーくらいなら飲めるみたいとのこと。コーヒーなら、こっちにある自動販売機でことが足りるので、当初予定の列車の一本前で先に松江に向かうことにしました。とはいえ、次の電車まで1時間弱あるのですが・・・。

 雪は少しましになったみたいですが、路面に積っている様に見受けられたので、本当ならば10分程度でいけるのですが、大事をとって30分程前に工房を後にすることにしました。博物館のお姉さんは、駅までの近道を教えてくれ、お見送りまでしていただきました。私たちは、大満足で来待ストーンミュージアムを後にしました。

 雨も混じっていたのか、路面はシャーベット状になっており、滑りそうな感じがします。それよりも、靴からどうもしみこんできそうで、駅についたころには、靴は濡れてるんだろうなぁと思いつつ歩きました。まだ、みぞれが降ってましたので、折り畳みの傘を指して歩き始めました。近道は、田んぼの真ん中を貫く道路を歩くコースになるのですが、周囲360度何もないところを歩きます。
 歩き始めの頃はそんなに問題にならなかったのですが、ちょうど周囲360度が田んぼになったところあたりから、突風が吹き始めました。私はリュックを背負い、お土産の紙袋を右手に、傘を左手に持っていたのですが、左後ろからの強烈な風に、歩くのがやっとの状態。傘を風下側にすると、それこそ台風レポートの様になりそうでしたので、風上側に持っていったのですが、傘の骨の力よりも全然強靱な風が吹いてきます。それにも負けず、傘を風上側にしていると、傘の骨が折れてしまいました。とりあえず、一本・・・。今度は右手側に持っていた紙袋が風の力によって、水平になってしまい、飛んでいきそうな勢い。必死になって、把手を持っているのですが、把手が取れてしまったら、いっかんの終わり。そうこうしていると、左手側の傘の骨が2本・3本と折れていきます。もう、傘を開いている意味がなくなったので、いったん畳んだのですが、骨が折れている為、うまく畳めません。もう、開いても閉じてもただの邪魔物といった感じです。よっぽどそのあたりに捨てたいと思ったのですが、とりあえず、駅までなんとか持っていきました。
 私の傘は、もともと安物の折り畳み傘だったので、弱かったのですが、友人の骨の強い傘までも、1本強風でおられてしまいました。もう、台風レポートき様相を呈するとんでも無い事態に陥りながら、駅にたどりつきました。

 駅にたどり着くと、不思議なもので、風が弱まり10分程度すると、青空が少し覗いてきます。それをうらめしく思うよりも、お決まりのパターンだなといった感じの方が強く、とりあえず濡れた頭などをタオルなどで拭きました。傘は、駅のごみ箱で廃棄処分となりました。かなり無残な傘になってました。
 観光客だなぁと思うのは、駅の待合室にいるほかのお客さんの格好を見た時です。靴は長靴、服は防寒もしくは、レインコート(合羽?)。さらにしっかりとした傘を持って武装されてました。お土産の紙袋は、破れる寸前のところまでいってましたので、予備の紙袋と交換(こういうのもたまには役にたつものですね)。
 でも、面白いことに、左後方から突風がふいていたことが物語るかの様に、体も左半身後方だけが、濡れているといった始末。それでも、冷たいったらありゃしないわけで、早く列車がこないものかと心待ちにしました。とはいえ、これだけの突風が吹いたこともあり、5分程度遅れての到着となりました。

 後は、帰るだけなのですが、松江で、さらにお土産の補充。お茶を中心に購入したのですが、みなさんに好評だったのが、「三幸堂の梅昆布茶」。これを最初に見つけたのは、出雲坂根駅だったのですが、松江駅のキオスクでも発見。どうも、キオスクの系統を中心に販売している様です。ただ、この梅昆布茶おいしいのですが、大阪にお土産として持って帰るのは、ちょっと気の引ける代物です。というのも、パッケージを見ると、出雲銘茶となっており、もちろん販売元は三幸堂なのですが、製造元は大阪府八尾市の業者とのこと・・・・。この製造元の工場が出雲にあるのであれば、万事解決なんですが、大阪で作っているとなると、海外旅行で、日本製のアクセサリーを買ってくる様な感じです・・・。
 しかし、やっぱりおいしいので、結構リクエストをいただく、梅昆布茶でした。

 帰りの電車で車窓を眺めていると、目まぐるしく積雪量が変わります。特に、岡山県との県境付近は一面銀世界になってました。このまま電車が遅れたらどうなるかなぁと思いつつ、岡山まで電車は向かいました。結局、3分程度の遅れで終わりましたので、基本的にほとんど問題ありません。

 岡山からは、新幹線で帰るのですが、ここで今回の旅行のもう一つの目玉。ひかりレールスターに乗車しました。JR西日本が飛行機やバスとの熾烈な戦いに挑むために投入した贅沢な仕様のひかりなんですけど、そのJRのご自慢通り、グリーン車並のシートピッチに驚きました。実際、新大阪駅まで乗っていて、もうちょっと乗っていたいと感じた列車です。ほんの小一時間程度しか乗車できなかったのは、なんとも残念なことこの上ありませんでした。今度は、これに乗って、九州にいきたいなぁと話ながら、出雲旅行は幕をおろしました。


 ところで、その後、「陶芸」「彫刻」ときたので、次は「木彫り」体験がしてみたいという話になりました。木彫りが体験できる気軽に利用できる工房をご存じの方は、ぜひ教えてください。よろしくお願いします。

 というわけで、長々と失礼いたしました。本当に長い文章になってしまいました。この紀行文の初掲は、Toys Loft(http://www16.big.or.jp/~skybox/)の風流郷紀行コーナーです。この時、掲示板の問題で、前半1/3程度しか公開できておりませんので、正式な形での発表がここが最初ということになります。

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