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ぶらっと雨の鹿児島編1(2002年5月4日)

 今年のゴールデンウィークの一つの山が、鹿児島でした。鹿児島県へは、今回が初上陸(上空を飛んでいたことはあるかもしれませんが)でして、いったいどんなところなのか、いろんな期待が出てきます。事前に、鹿児島市のホームページの観光情報を確認しておきました。結構わかりやすく、3時間コース、半日コース、一日コースといった形で、区分けされており、効率的に観光するにはなかなか役立ちそうでした。その中でもひときわ目を引いたのが、温泉に入るコース。それもクア施設とかでは無く、西駅駅前付近にある銭湯を利用するというもの。どうも、鹿児島市内の銭湯のほとんどが天然温泉をひいているらしいとのことでした。340円で天然温泉となると、結構破格値の感があります。

 今回は、JR西日本のホームページで、たまたま見つけた「九州・大阪往復割引切符」を利用しての旅行です。往路と復路をそれぞれ、新幹線+特急、寝台特急が選べるので、今回はこの際、鉄道マニア的な旅行にしようと、往路を寝台特急なは、復路をドリームつばめ+レールスターにしました。本当は往路が新幹線+特急、復路を寝台特急にしたかったのですが、ゴールデンウィークの真っ只中で、それも1週間ほど前に予約する様では、空いているわけもありません。とりあえず、JR-CyberStationで、空席を確認し、5489サービスに電話をかけてみました。
 果たして、この乗車券がゴールデンウィークに使えるのか、はたまた、5489でこの割引きっぷの予約が出来るのか、いま一つ謎めいておりましたが、結果的にそのあたりは全く問題なく、予約が完了しました。が、しかし、一番の問題は乗車券の受け取りなわけでして、事前にどこで乗車券の受け取りをするか聞かれるのですが、当日にしようと思い、大阪駅を指定したところ、「大混雑が予想されるので、前日までに受け取ってください」ということ。これだったら、意味が無いでは無いかということで、前日までに受け取るのならば、職場に近い川西池田を指定したものの、仕事がバタバタしていて、川西池田駅に立ち寄ることすらできず、結果的にはたまたま用事のあった自宅に一番近い茨木駅で受け取ることになりました。その時に、マルスの画面が目に入ったのですが、きちんと「川西池田駅で受け取り予定」と書いてあるではありませんか!まぁ、受け取りに関しては別に普通にやってくれたので、いいんですけどね。

 さて、当日、20時頃に新大阪駅に立ちました。片道14時間にもなる寝台列車ですが、食堂車どころか車内販売も晩は乗車していないらしいので、事前に新大阪駅で駅弁を購入しておきました。ところで、乗車する寝台特急なは号は、新大阪発だったんですよね。私はてっきり、京都発だと思っていたのですが(あかつき・彗星がそうなので)、どうも新大阪での停車時間が妙に長い(といっても3分程度ですが)なぁと思っていたのでした。

 20時18分頃に電機機関車が9両の客車を従えて到着。前より1〜4号車がB寝台、5号車が個室B寝台SOLO、6号車が指定席+ラウンジ、7号車が二人用個室、8〜9号車が熊本止まりのB寝台(だと思う)の列車構成でした。B寝台SOLOがなかなかうらやましいと思ったものの、今回利用の往復割引切符ではどうやら使えない様子。まぁ、それ以前にゴールデンウィークに空いているのかという点の方が疑問ですが、同じB寝台でも、全く違います。あそこまで形が違うと、開放式B寝台の価値はいったいどこにあるのかと考えてしまいます。

 私は、4号車5番上段の座席でした。下段は、若い女性で向かい側の6番上段は中年〜年配の男性でした。なんとなく、居心地が悪いので、晩御飯を食べに6号車のラウンジに移動しました。指定席車両は夜行バスに対抗して作られた車両で、バスのそれにならって、独立3列シートで、フットレスト付きですが、やはりバスよりもゆったりしている感じです。確かに安価に行けるという点では利点はある様に思いますが、今回の往復割引切符の値段を考えると、これを利用する価値はあまり無いかな?と思ったりします。どちらかというと、短距離利用を想定されているのでしょうか?
 ところで、その指定席の後方についているのが、ラウンジコーナーでして、ジュースの自動販売機が併設されています。しかし、本当にただそれだけでして、「ここがラウンジ?」と思わなくもない、小さいスペースで、イスも5脚しかありません。申し訳程度に机がありますので、お弁当を食べるには助かります。また、イスが窓側を向いておりますので、夜景を楽しむことができます。私は、明石海峡大橋目当てに海側の席を一つ陣取りました。しかしまぁ、入れ代わり立ち代わり、お客さんがラウンジコーナーにやってくるのですが、連結部の扉を閉める人が少ないんですよね。あの扉が開いているのと、閉まっているのでは、音の大きさが全く違うので、気になるので、何度も閉めに行きました。でも、閉めたら、わざわざ開けにくるお客さんがやってきたりして、なんだかいたちごっこの気分でした(^_^;
 そうそう、ラウンジで車掌にこんな会話をしている人が何人かいました。「ラウンジってどこにあるの?」。・・・確かにそう思える大きさですし、設備です。「ラウンジ」という名前を付けたことによる弊害なのかもしれません。では、ラウンジ以外の名前でいいのがあるのかというと、どうも、思いつかないので、やはりラウンジなのかもしれません。フリースペースというのは、いま一つですしね。

 垂水を過ぎた頃に、明石海峡大橋の案内放送が入りました。一つの観光案内みたいなもので、こういうのは、なかなかいいサービスだと思います。どれだけの人が聞いているのかは謎ですけどね。特急というだけあって、停車駅はかなり少なく、新大阪・大阪・三宮・姫路・岡山の順で停車していきます。これだけ少ない停車駅ですが、姫路までは次の新快速に追いつかれそうな速度です(時刻表上でも、かろうじて逃げきったといった感じです)。このあたりは、客車ゆえの問題なのかもしれません。

 列車が小郡を通過する頃まで、ラウンジで過ごし、その後車内検札を寝台の通路を待って、就寝としました。上段席は不便と思っていたのですが、ちょうど、通路の上が荷物置きになっており、これがある分だけ下段席よりも広々と使える感じです。ただし、上段席の場合、窓が全くありませんから、汽車旅であることの楽しみのほとんどが失われる感じですが(あくまで私の場合の話です)。

 明朝、目が覚めたのは、熊本駅到着前。熊本駅から車内販売が乗車する旨が、前日に案内されておりましたが、果たして、私の席に来る頃まで、お弁当が残っているのか不安がありますので、熊本駅の停車時間を利用して駅弁を購入しました。幕の内的なお弁当だったのですが、なかなか豪勢でした。食べてみると、確かにおいしいのですが、どうも味付けが濃い感じがしまして、熊本ではこれぐらいの味付けなのかもしれません。あと、ふと横に置いてあったおにぎりの大きさに驚き、思わず手を出してみました。丼茶碗一杯分くらいのごはんで作られたと思われる大きさでした。ちなみに、こちらは、ごはんの量はジャンボサイズなんですけど、具は普通と変わらないぐらいでして、それに偏っていたものだから、最後の方にならないと、具が出てこないというのは、難点でしょうかね?ちなみに、この時もラウンジでいただきました。
 食事を済ませ、水俣・出水付近の車窓を満喫していると、そこかしこで、「九州新幹線」の文字が目に入ります。そういえば、整備新幹線のうちの一つで、九州新幹線がもうまもなく開通するという話を思い出しました。もし開通するとなると、この「なは」の運命はどうなるのか。今日乗車している感じからすると、十分に乗客がいる様に感じるのですが、ゴールデンウィークであることを割り引いて考えると、果たしてどれくらいなのかはいま一つ実感がわきません。また、「つばめ」号のビュッフェも無くなるという噂もあるぐらいでして、整備新幹線ができることによって、色々なものが失われる気がしてしょうがありません。
 しかし、整備新幹線が出来ると在来線をJRから分離するというやり方は、果たしていいのだろうかとふと考えてしまいます。今回、新八代〜西鹿児島が先行開業しましすが、現在博多〜新八代までも着工済ですから、その理論でいきますと、鹿児島本線全てが第三セクターということになってしまいます。なんだかなぁと思わずにはいられないのですが、在来線区間のみで維持・運営することが出来ないというのももっともな話でして、なかなか難しい感じがします。というか、地元の足を無視してまで、長距離速達を取る必要があるのか、考え直さなければいけないかと思うのですが、陸の孤島になるのを避ける為には新幹線という手段を取らなければいけないのでしょうか。個人的には、スーパー特急方式を利用するのが一番いいのでは無いかと思うのですが。これだと、在来線を切り捨てる範囲というのが、最小限にとどめられ、かつ速達効果もあがると思うのですが。やはりフル規格と比べると、見劣りするということでしょうか。
 何にしろ、特急からこの風光明媚な景色が見られなくなる日が刻一刻と近づいているのかと思うと、目に焼き付けておかなければいけないと思わずにはいられません。

 午前10時23分、西鹿児島駅到着。橋上タイプの駅舎で、最近建て直したのか、綺麗な雰囲気。お土産物売り場も充実しており、さすがは鹿児島県の玄関駅(時刻表によると、鹿児島駅が玄関駅らしいですが、規模、設備、駅前の雰囲気ともに西鹿児島の方が玄関らしいと思います)と思いました。しかし、改札そのものは、小さいので、少しアンバランスな雰囲気が漂わなくもありません。そういえば、西鹿児島駅は新幹線開業に合わせて駅名変更を実施するということらしいです。

 駅前は、どちらかというと、こじんまりとした様子というと、語弊があるでしょうか。バスターミナルが大きくて、ダイエーの駐車場も広々ととっているのですが、駅舎の入り口が、そのターミナルの端にあるものだから、駅舎がおいやられている様なイメージでして、本当の駅前だけを見ると、こじんまりとした感じに思えます。建て替えた時に、この様なスタイルになってしまったのかもしれませんが、路面電車の電停に行くにしても、観光案内所に行くにしても、不便な広さなのは、ぬぐえません。
 天候は、厚い雲で覆われていますが、全体的に明るい感じがします。前日の夕方の天気予報では、今日の鹿児島の天気は『曇り』。少しは晴れ間が見えてくれるかなぁと期待していたのですが、全然その様になりそうな気配がありません。空は常に白といった感じでしょうか。

 で、どこに行くかという点で、とりあえず、観光案内所に立ち寄り、鹿児島市内の地図をいただくことにしました。これが、駅から全く反対側にある不便な位置でして、無用に駅前ターミナルが広いという風に感じてしまいます。以前の鹿児島駅があった位置がおそらく、ダイエーの駐車場として、利用しているのでしょうが、それ故に余計にだだっぴろく感じてしまいます。観光案内所兼市バスの待合所になっている様ですが、なんとなく薄暗い雰囲気が漂っています。中に入ると、意外に、観光案内の人が3〜4人待機しており、気軽に声をかけてくれます。とりあえず、一日乗車券を購入(600円で市電・バスが乗り放題!)し、観光地図をもらい、それを手にまずは路面電車に乗車。

 狭い車内に、結構なお客さんが乗車しており、繁盛しているなぁと思わずにいられません。
 鹿児島市電は、系統が2つあり、どちらも鹿児島駅前を起点とし、高見馬場で分岐して片方は、西鹿児島駅を経由して郡元行きの2系統、もう片方は交通局前を経由して郡元を経由して、終点の谷山まで行く1系統の2つのルートで形成されています。私が乗車したのは、2系統の鹿児島駅前行きでして、その車内で、観光案内図とにらめっこを繰り返しておりました。天文館通り駅でかなり乗客というか、ほとんどの乗客が下車。あれれ?天文台か何かでイベントでもあるの?と思い、あわてて天文館あたりのページを見ると、天文台では無く、鹿児島随一の繁華街という話。繁華街にあまり興味が無いので、下車せずにそのまま路面電車に乗車。水族館口で残りの客が全員下車。とうとう、私一人になってしまいました。水族館口を出発した直後に目的地を仙厳園(磯庭園)に決定。庭園だと、桜島を写真におさめることも可能だと思ったわけです。ただ、仙厳園へはいったいどのバスに乗車すればいいのかが全然わかりません。鹿児島市交通局も、一日乗車券で観光客が一般のバスに乗ることを想定されていない様で、カゴシマシティビューという観光向けバスの案内図ばかり掲載されており、ほかに仙厳園に行くルートが見つかりません。また、カゴシマシティービューのバスは仙厳園には行くものの、鹿児島駅前あたりにバス停が無く、さらに、時計回りにしか出ていないため、仙厳園に向かうためには、一番近い桜島桟橋から乗車して、西駅前を経由して向かうしかありません。これは、いかにも効率が悪いと感じ、とりあえず、鹿児島駅前で下車してみて、地図を頼りに歩いてみることにしました。

 鹿児島駅前電停は1系統・2系統ともの起点駅となる様で、屋根付きの3番線まである大きな電停です。ちょっと写真を撮っている間にも、ひっきりなしにちんちん電車が発車・到着を繰り返しているので、なんともすごいなぁと思いました。特に1系統と2系統が運行されている鹿児島駅前〜高見馬場までの間は、路面電車特有の縦列運転を目にすることができます。運賃が一回160円と均一で、バス(180円)よりも安いというところが、好感が持てます。ちなみに、鹿児島駅前はひっそりと静まり返っており、ひっきりなしに着発するちんちん電車もほとんどが乗降客0。駅前のタクシーも客待ちで手持ち無沙汰の様でした。JR鹿児島駅はイメージが喫茶店といった感じで、田舎の温泉地のバスターミナル?と思わす様な外観。一回が旅行会社というのが、そういうイメージを彷彿とさせるのでしょうか?駅前ターミナルも西駅とは比べ物にならないぐらい小さく、何件か地元の商店があるといったぐらいで、本当にここが鹿児島本線・日豊本線の終点か?と思ってしまいます。
 駅前にバス停があるものの、どうやら目的地とは違う様子ですので、桜島桟橋の方へ歩き始め、海側のバイパスを通ることにしました。駅前の交差点を曲がり、次の交差点まで、左手にはJR貨物のターミナルになっており、その大部分はおそらく整理され、空き地となっておりました。西鹿児島駅を見た後にこちらを見ると、陰と陽をみている様です。なぜ、西鹿児島駅を主とし、鹿児島駅を従としたのか、ちょっと気になるところではあります。

 バイパスに出ると、広々とした道が広がり、右手には桜島、左手には新しくできたらしいレストランが並んでいます。歩いていると、いったいどれくらい歩いたら、仙厳園に到着するのか不安になる広々とした景色です。駅をでて20分ほど歩くと、突然、『石橋記念公園』というのが目に入りました。まだ、整備されたばかりらしく、新しい綺麗な公園です。石橋さんというのが、いらっしゃったのかと思ったら、そうではなく、『石の橋』をメインにした公園であるということが、すぐにわかりました。大きな石橋が公園に入ってすぐのところにありました。下は人工的に水を流しており、子供たちが橋の下で水遊びをしています。日がでていないとは言え、ジトとした暑さは、大阪では後1ヶ月ぐらい先の気候だと思います。

 横には石橋記念館というのが、あり、石橋に関しての資料が展示されています。こういう資料館は特に好きなので、立ち寄ることにしました。利用料金は無料とのことで、展示内容にさほど力が入っていないのかと思いながら中に入ってみると、だだっぴろいホールにパソコンが4台ほど置かれているだけです・・・。これだと、ちょっとした休憩所だなぁと思ったところ、実は展示場は下の階だったそうで、私が入ったのはたまたま2階のガイダンスホールという多目的スペースだっ様です。1階には、鹿児島五石橋のうちのひとつ、西田橋の架設の説明がジオラマと映像を使って説明されており、壁面の展示スペースでは五石橋の説明などがありました。特に、このジオラマ+映像の説明というのは、精巧に作られており、これを無料で見ることができるというのは、ちと驚きでした。ちなみに、五石橋のうち3つが移設・保存されているのですが、後の2つは、平成5(1993)年8月の豪雨により流出・崩壊してしまったそうです。他にも、時代を追って、生活と石橋のかかわりを説明する映像作品や、石橋を作るパズル、大画面で移設工事に関する説明などを見ることができ、結局2時間近くここで石橋について興味深く観覧していおりました。たまたま、歩いてここまで来なかったら、この施設を知るよしもなかったでしょうから、ちょっとうれしくなって、移設された石橋を見ることにしました。先程見た、橋が西田橋で一番大きく、逆側の橋のたもと(東詰めになるのかな)には、門も復元されております。その橋を超え、連絡橋がすぐ目の前にありこれをわたると、祇園之洲公園となっているのですが、こちらにも高麗橋と玉江橋が移設されており、なぜ名前が違うのか不思議に思ったのですが、どうやら帰ってから調べてみると、石橋記念公園の方は県施工、祇園之洲公園は市施工だった様です。で、そうやってみると、観光案内所でいただいた地図を見ると、祇園之洲公園は地図に小さく名前が記されています。なんだか、とっても紛らわしいので、統一してもらえるとうれしいんですけどね。少なくとも、石橋記念東公園と、石橋記念西公園といった具合に。

 それぞれを写真に納め、渡ったのですが、玉江橋が一番端にあって目立たないだけあり、なんだか荒れてる雰囲気です。橋自身も石が波うっている様で、見ていて寂しくなる感じがします。また、玉江橋の10m程西側には人道橋がかかっているので、わたる人もわざわざ玉江橋をわたることは無く、どうもこれだけはちょっと失敗しているのでは無いかと思ったりします。ちなみに、祇園之洲公園にある高麗橋は綺麗に保存されており、用もなくブラブラと歩いている人を良く見かけました。高麗橋と西田橋の保存は成功しているのに、なぜに玉江橋だけ・・・と思ったりします。
 そうそう、祇園之洲公園には、薩英戦争の時の砲台跡についても説明があり、いろんな意味で興味深く感じます。ここから大砲を打ったのかと目の前の海を見るのですが、埋め立てられている様で、いま一つ判然としませんでした。目の前は道路ですし、少し左側に顔を向けると、『ザビエル上陸の碑』の道路標識が目に入ります。

 さて、次なる目的地へ足を向け、歩き始めようとしたのですが、なんとなく横にある多賀山公園というのが気になり、そちらへ向かうことにしました。東郷平八郎の銅像&墓がある公園だそうです。思ったよりも坂がきつく、さすがに多賀『山』公園というだけあります。公園の多い町だなぁと思いながら、山の上にたつと、鹿児島市街地が見渡せる、なかなかよいビューポイント。桜島を見渡せる方向に行くと、かなりの本数のフェリーが運行されていることが、わかります。本当にかなりの数です。路面電車並に次から次へと港にやってくるのがわかります。いったい何分おきにでているのかわかりません。
 さて、尾根伝いに歩いて、仙厳園を目指そう階段をさらに登った時に、ハタと『あれ?東郷平八郎の銅像は?』と気づきました。あわてて、上りかけた道を戻って、逆側に歩いていくと、ありました、ありました、東郷平八郎元帥のお墓が・・・。と、若いグループが「今日って雨降るよね〜」「昼から雨だよ。もうすぐ雨降るよ。あの、雲なんかそれらしいよ」と話しております。あれ、今日は雨降る予定だったのかとこの時、はじめて気づきました。てっきり昨日の天気予報を信じておりましたから、雨など降るわけが無いと思ってたのでした。そういや、鹿児島に到着する前に列車に乗り込んできたお客さんのほとんどが傘を持っていました。

 あまり、人のお墓の写真を撮るのは好きでは無いのですが、銅像が見当たらなく、せっかくなので写真を撮っておきました。でも、お墓の前から見える桜島や錦江湾は見事だと思います。ところで、東郷平八郎元帥のことはあまりあまりよく知らないのですが、たしか日露戦争でバルチック艦隊を破ったことで有名な人ですよね。九州の人だったんですね。全然知りませんでした。
 と、すぐに雨が降ってきまして、さっきのグループが話していて本当1分程度の間です。文章にしていると、妙に間がありそうな感じですが、目茶苦茶タイミング良く降ってきました。あわてて、屋根のあるベンチに入ったところ、目の前に何らかの文章が書いてあるでは無いですか。読みたいけれど、大粒の雨のため、ちと断念。その横に人が一人通れる程度の細い階段があります。上を見上げると、ありました、東郷元帥の銅像が。あ、これか・・・と思いながら、下から写真を何枚か撮影。バックが青空ならなぁなど、どうしようも無いことを思いながら、雨がやむのを待っていたのですが、いっこうに止む気配がありません。しょうがないので、一応持っていた折り畳み傘を使って、祇園洲公園へ戻ることにしました。たしか、カゴシマシティビューのバス停があったのを思い出したのでした。

 結果的に、折り畳み程度ではあまり役立たず、足元はびしょびしょ、カメラも結構滴がかかった様で、あわてて、タオルで吹いておりました。防雨処理がされてるカメラだったら、気にしないんですが、そういうわけにもいかないですしね。まぁ、本当に滴がかかっているといった感じですから、性能に影響は無いでしょう。
 バス停前の屋根付きベンチには、先程お弁当を食べていたりしていた人たちが固まっており、広い公園の中で妙な雰囲気です。こういう雨が降っている時に、石橋記念館を見学できれば一番よかったのでしすが、うまくいかないものです。バスの時刻表を見ると、次のバスまで25分。どうやら5分ほど前にバスが行ってしまった様です。まぁ、しょうがないなぁと思いながら、私もその屋根の下に入れてもらいました。

 と、どういうわけか15分ほど待っているとバスがやってきました。遅れていたのだと思います。車内は、この雨であわてて人が乗ったのか、かなり混雑していました。このカゴシマシティビューは、どうも観光客メインですので、バス停の数を大幅に削減している様で、西鹿児島駅前まで3バス停しかありません。人込みがなかなかすごいので、早く脱出したい気分で一杯でして、雨が降ってきて、目的の仙厳園もあきらめ、次のかごしま水族館前バス停で下車、鹿児島港桜島桟橋からフェリーに乗船して桜島に向かうことにしました。

 大きな近代的なフェリーターミナルで、フェリーを見ていると、先程上から見ていた通りに、次々とフェリーがやってきては出航していきます。乗船券の発売所を探してターミナル内を歩き回ったのですが、それらしき物は見当たらず、桜島汽船の案内窓口の横に『料金は桜島港で下船時にお支払いください』とのこと。なんとも妙に合理化されたことでして・・・。乗船名簿などもいらない様で、本当に手軽に乗れるフェリーといった感じになっています。ちなみに、料金は片道150円。これもまたリーズナブルな・・・。15分程度の船旅を楽しむことにしました。
 これに乗って思い出すのが、今はなき、淡路島の明石〜岩屋を結ぶフェリー。たしか旅客運賃が310円で20分程度で行ける便利なフェリーだと思って乗船したことが思い出されます。それが、10年程前になり、今は明石海峡大橋が開通したことから、存続しているのか疑問ですが、あの時に乗船したフェリーは衝撃的でした。それが、今、鹿児島で体験できている様な錯覚に陥ります(風景は全く違いますけどね)。

 船内は小さいものの、売店やうどん屋さんがありました。こういうところのうどん屋さんとかは一度利用してみたい気になることが多く、う〜ん、と悩んだもののなんとか断念。かけうどんが350円、月見が400円、天ぷらうどんが500円とちょっと値段が高かったのが、断念の理由でした。で、そのお金を桜島で名物があればそれを食べようと思った次第です。ちなみに、船内の自動販売機の値段は、いたって普通というか、こういう乗り物の中としては、激安の350mlの缶ジュース類が120円で販売されていました。桜島汽船とどこかで書いてあったのを見ましたが、どうも桜島町と関係が深いのかそれとも、桜島町が運営しているのかかなり乗客寄りのサービスでした。

 船内をうろうろとしていると、マグマ温泉の案内。マグマ温泉と桜島フェリーの往復乗船券がセットになって10回利用できる回数券が3000円とかいう話。回数券に興味は無いものの、マグマ温泉には興味があるので、どこにあるのかとジロジロとその広告を見たものの、場所はわからず、とりあえず桜島港に到着するのを待つことにしました。先程、上がりかけた雨がまたもや降り始め、桜島港に到着する頃には、結構な本降り。雨も不安なものの、財布の中身も不安。というのも、150円の小銭以外には諭吉さん以外無く、果たして崩すことができるのかどうかという点。こういう時にはちょっと不便を感じてしまう諭吉さんなわけです。

 港に到着して下船し、ターミナルの入り口の料金箱にお金を入れます。女性の係員の方が、利用客調査をしているのか、カウンタを使って人数を調べていました。ただ、乗船も下船も同じ料金箱に入れるので、入り乱れている雰囲気はありますが、人数的な面から考えると、船が到着した時だけ集中するわけで、大きな問題も無いのかもしれません。そういえば、桜島フェリーのキャッチフレーズが『またずに乗れる桜島フェリー 24時間運行』とあります。時刻表なるものもあり、それを見ると、日中は10分間隔、深夜は1時間間隔で運行している様で、その本数にはさすがに驚きでした。そういえば、淡路島岩屋までのフェリーも24時間運行だったなぁと思い出すのですが、10分間隔というのはさすがになかったです。これは、本当にすごい。

 というところで、その2に続きます。

 

2004/9/6 鹿児島市のホームページのアドレス変更に伴う修正を行いました。(http://www.city.kagoshima.kagoshima.jp/→http://www.city.kagoshima.lg.jp/)

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